代表あいさつ 手塚博志の言葉

家業色の濃い農業を企業経営にするため、これまで農業機械や農作業支援ロボットなどを開発して農家の規模拡大を図ってきました。しかし結果は「農家から農場経営者に」と掲げた目標から、遠のくばかりでした。

思い込み

理由は単純明快、ひとつの思い込みが原因でした。
農家の規模が小さいから、農業が生業として成り立たないと思い込んでいたのです。ゆえに何の疑いもなく、「田畑を広げれば収益が上がるもの」と考え、作業効率を上げることを最優先課題にしていました。
間違いでした。もともと収益が上がらない方法で栽培しているのですから、規模を拡大しても赤字幅が広がるだけです。「まず収量と収益を上げてから規模を拡大する」。行き着いた結論は、足元を固めることでした。

農業は生命産業

以前のように規模拡大・作業の効率化による増産の視点に立つと、生命(いのち)の宿る農産物を無機質な工業製品に見立てていました。そのような「人間の一人勝ち」のための農業スタンスでは、邪魔なものが多く出てきました。
土中微生物を殺菌し、農薬によって害虫を駆除する。
健康体から水を絶ち、細胞内のミトコンドリアを破壊し、糖尿病の植物を育てる。
人間だけが利益を得るために、自然の原則に逆らうことに必死になっていたのです。
あるとき、農業を「生命産業」と位置付けて見直してみました。すると、今まで邪魔者と思っていた周辺環境が、すべて必要不可欠なエネルギーに見えてきたのです。

活力ある微生物 元気な土 健全な植物 健康な人間

微生物と酵素

私の好きな言葉に「身土不二(しんどふじ)」があります。「人の命と健康は土とともにある」との意味ですが、まさにその通り。自然とともに生きる「共生農業」の中心は、土にあるのです。
元気な土づくりのキーワードは、植物に必要なエネルギーを作り続けている土中微生物です。言い換えれば、生命は水をベースに土中微生物が作り出す「酵素」が中心となって循環しているのです。

反応模式図   基質(有機物AB)⇔酵素⇔有機物A+有機物B(分解生成物)

酵素は化学反応を触媒して、その酵素が関係する反応(酵素が基質特異性をもつ)の速度を著しく加速し、すみやかに平衡状態に達せしめるように働く。

元気な土で育った植物は、病気に負けない生命力を持っています。しかし、人に手で殺菌された土で育った植物は抵抗力が弱く、生長過程でさまざまな薬に頼らざるを得なくなります。人と同じですね。病弱なほど、農場規模が大きいほど、その薬量は膨らむばかりです。さらに微生物が住めない土には、新たにミネラル肥料を与える必要が出てくるのです。自然の原則に逆らうことが、どれだけ高コストで不健全なことか!それが自然の力を借りる共生農業なら、収量が上がっても、主原料の水と二酸化炭素と窒素の量が増えるだけでコストはほとんど変わらないのです。

微生物が活発に働く元気な土。それをサポートする酵素資材を上手く取り入れた農家が、自然と共生しながらすばらしい恩恵にあずかっています。栃木を代表するイチゴやトマト、ニラなどでは、通常の1.5−3倍に収量を伸ばしています。しかも薬漬けではない、安全な農産物なのです。

エネルギー資源に恵まれた国・日本

地球温暖化をはじめ、環境問題により高い関心が寄せられる今、近未来には環境破壊によって世界的な食料不足が起きることが懸念されています。中でも、食糧生産に欠かすことの出来ない「水」は、食糧戦争といわれるほどに世界中でその奪い合いが起きるとまで予測されています。

そんな世界の水不足を横目に、水が豊富に流れ、肥沃な土壌が堆積し、太陽光もシャンシャンと降り注ぐ日本は、実に農業に適した「天然のエネルギー資源」に恵まれた国なのです。食糧生産という生命活動に不可欠な天然エネルギーが無尽蔵にある日本で、人類未来の幸せのために、農業をもっと自由に生き生きと、手と手で育てていきましょう。

代表取締役社長 手塚 博志

(有)ティアンドティナーサリー
代表取締役社長
手塚 博志